キュービクルのコンクリート基礎は、キュービクルを安定して支える構造物です。
キュービクルの荷重を地盤に均等に伝え、構造の安全性や耐久性のために非常に重要です。
コンクリート基礎には「ベタ基礎(コンクリート製)」「げた基礎(コンクリート製)」
があります。
基礎の寸法について説明します。

ベタ基礎
構造:全面にコンクリートを打設し、一体となった平面基礎
立ち上がりは、周囲に150~300㎜程度の立ち上がりを設ける
基礎幅、奥行き:キュービクル寸法+200~500

<ベタ基礎の寸法例>
●キュービクルの設定寸法
幅:W =2000㎜ 奥行:D=1600㎜
●ベタ基礎の寸法
高さ300㎜
幅:W+200=2200㎜ 奥行:D+200=1800㎜
●ベタ基礎の重量
2200X1800X300X2.3÷106=2,732kg
コンクリートの比重:2.3
●コンクリート仕様例
構造強度を確保するため鉄筋は重要です。
スラブ主筋 :D13@200mm(上下2段)・・・直径13㎜の鉄筋を200㎜ピッチで配置する
スラブ配力筋:D10@200mm・・・・・・・・・直径10㎜の鉄筋を200㎜ピッチで配置する
立ち上がり主筋:D13@200mm
かぶり厚 :スラブ下部で40mm以上、側面で30mm以上
かぶり厚さは30㎜でバラツキ10㎜をみて40㎜とする
<用語>
スラブ:一体式構造で、地震発生の際に水平力を他の主要部材に伝搬させる床
主筋 :短いスパン方向に配置される鉄筋
配力金:主筋と直角方向に設置される鉄筋

•基礎製作時の注意事項
排水対策:基礎下部に直径50mm以上の排水口を設ける
防虫・防水対策:ケーブル引込口には防虫ネットを設置
防水・防塵対策:地面からの高さで水・ホコリの侵入を防止
げた基礎
構造:長方形のコンクリートブロックを2本並べた構造(下駄のような形)
屋上等で重量制限がある場合等に使用される
基礎幅:キュービクル寸法+200~500
●げた基礎の幅
1)安定性の確保(転倒防止)
高さの2倍以上の幅を確保すると重心が安定し地震や風圧に対して倒れにくくなります。
2)アンカーボルトの設置スペース
基礎端から150mm以上離してアンカーを打つ必要があります。
幅が狭すぎるとアンカーの取付け施工が困難になります。
3)荷重分散と耐震性
基礎には、キュービクルの重量を十分受け止め、地盤に均等に荷重を伝える幅が必要です。


<げた基礎の寸法例>
●キュービクルの設定寸法
幅:W =2000㎜ 奥行:D=1600㎜
●げた基礎の寸法
高さ300㎜
幅:W+200=2200㎜ 奥行:500㎜
●げた基礎(巾500)の重量
2200X500X300X2.3÷106=759kg
コンクリートの比重:2.3
●コンクリ―ト基礎の圧縮強度より必要な面積
コンクリートの圧縮強度:24N/㎟
コンクリートの安全率 :4
コンクリートの許容応力度:6 N/mm²(24N/㎟÷安全率4)
例)キュービクル重量を2,000kgとする
基礎への荷重 :19,600N(2,000kgx9.8)
基礎の必要面積:19,600N÷6N/㎟ ≒3,267㎟
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