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キュービクルとは?🐯変圧器の耐熱クラス

熱設計

キュービクル式高圧受電設備(以下キュービクル)は、電気事業者から高圧で受電するための機器一式を1つの金属製箱に収めた受電設備です。
キュービクルには変圧器が収納されており、変圧器の一次巻線に電力を加えて電圧変換すると、その際の損失が発熱として生じます。
発熱が蓄積し、変圧器が許容最高温度を超えると変圧器の劣化が急速に進行します。
劣化防止のため、変圧器を許容最高温度以下にする筐体設計はとても重要です。

また、変圧器は、使用する絶縁材料によって、耐熱特性を示した耐熱クラスに分類されます。
変圧器の耐熱クラス及び使用条件について説明します。

絶縁材料の耐熱クラス

電気絶縁材料(以下材料)の劣化は、多くの場合、温度の影響を受けます。
 材料は、絶縁油、SF6ガスのほか、クラフト紙、プレスボード、マイカ、ガラス繊維、
 エポキシ樹 脂、シリコーン樹脂、アルキッド樹脂などが使用され、材料によって
 許容最高温度が決まります。

耐熱クラスは、最高許容温度によって階級化された指標で、各材料に振り分けられます。
複数の絶縁材料によって構成された電気絶縁システムも耐熱クラスに振り分けられます。

  耐熱クラスは、使用経験や試験結果によって評価され指定されます。
  耐熱クラスが指定されると、推奨最高連続使用温度を示すことができます。
  耐熱クラスの呼び方を表1に示し、変圧器の耐熱クラスを赤字で示します

変圧器に関わる用語

「JIS C 4003 電気絶縁-熱的耐久性評価及び呼び方」より用語を説明します。

変圧器の耐熱クラス

変圧器には、油入変圧器とモールド変圧器の種類があります。
使用された絶縁材料の耐熱特性によって、耐熱クラスに分類され、
油入り変圧器はA種、モールド変圧器はB種、F種、及びH種が適用されます。

変圧器の使用条件は、周囲温度が40℃以下です。
変圧器は、周囲温度が40℃以下の際、巻線の温度上昇限度を超えず、絶縁部の各部が耐熱クラスの許容最高温度を超えないように設計されています。
筐体内に設置する場合、周囲温度が40℃以上にならない様、放熱方法に注意します。

最後までお読みいただき ありがとうございます。

<参考文献>
JIS C 4003 電気絶縁-熱的耐久性評価及び呼び方
JIS C 4304 配電用6kVA油入変圧器
JIS C 4306 配電用6kVAモールド変圧器

ガオ

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初級設計者の一助になれば幸いです。

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