人が触る箇所は、低温、高温を避け危険が及ぼさない様に設計します。
人が触る箇所の表面温度は、金属部品では4℃以上45℃以下に設計すると良いです。
樹脂製より金属製の方が許容温度が低くなっています。
樹脂製より金属製の方が、多くの熱エネルギーを人体に伝達します。
同じ温度の樹脂棒より金属製棒の方が痛みを感じやすいからです。
ここでは、 接触温度限界に関するJIS、UL、ISO規格と機械振興協会の規定を紹介します。
接触温度限界 に関する規格
1)JIS C 6950-1 は、IEC60950-1を基に作成された規格です。
通常使用時に連続的に接触する場合の最高温度は 55℃
接触可能な外表面の最高温度は、70℃ です。

2)UL規格には、温度上昇値が規定されています。
通常使用時に連続的に接触する場合の許容温度上昇値は 30K
接触可能な外表面の許容温度上昇値は 70℃以下 です。
周囲温度を25℃とすると、JISと同じ値となります。

3)ISOには、危険個所の接触時間と最大温度の関係が表されています。
通常使用時に連続的に接触する場合の最高温度は 48℃
接触可能な外表面の最高温度は 70℃以下 です。
JISとほぼ同じ値を示しています。

お勧めの規定
JIS、UL、ISO規格の接触温度限界値は、かなり高温を示しています。
人が触れるおそれのある個所は、危険で無く、不快感も持たれないように設定したいです。
一般財団法人 機械振興協会の 「機械製品に対する安全要求と設計方法-接触温度-」に
高温や低温への接触防止のため、機械装置の表面温度を設定しており、参考になります。
1.連続して接触する場合は、機械装置の表面温度は 45℃以下 にする
2.一時的に接触する場合は、機械装置の表面温度は 49℃以下 にする
3.連続して接触する場合は、機械装置の表面温度は 4℃以上 にする
4.一時的に接触する場合は、機械装置の表面温度は -18℃以上 にする
設定を満足するには、機械装置に警告ラベルや保護装置を備えることが必要です。

まとめ
●JJIS、UL、ISO規格の接触温度限界値は、かなり高温を示しています。
また、日本カイロ協会では「60℃で1分間圧迫」「50℃で3分間圧迫」にて低温やけどが発生する
恐れを指摘しています。
●機械振興協会の「機械製品に対する安全要求と設計方法-接触温度」に従って設計すると良いです。

注)できない場合は、警告ラベルや保護装置を設ける
最後までお読みいただき ありがとうございました。